レーサーズ Blog
ヴィーナスJ クルー 名取道也

2月のレースはJ24が4艇もそろったレースとなり、私はわくわくでした。double hands のベンハー号、サンスター東さんはJ24にsingle hand でクラブレース初参加。2艇が3人です。ケビンのRonin Foolsは初めて?の3人で参加ですが、3人目はなんと加藤琢也です。Azureは金森さん体調不良で今回のレースは参加せず、そうなったとのことです。我々は千葉キャプテン、杉さん、名取の3人です。去年から当面の敵であるケビンの船に、加藤琢也も乗り込んでいるので、私はアドレナリンがドクドクです。
同型艇とのレースは最高ですね。2011年に初めてJ-24でレースに参加した時は、J-24は1艇、2012年の昨年はケビンの船と2艇だけのことが多かったのですが、時に3艇のこともありました。2013年からはコンスタントに3艇、または4艇の時代となっていくのでしょうか。すごいことですね。
スタートラインはリミットマークまで約90秒で、上有利でしたが、下に大型艇がこないように上へいく集団の先頭でラインに向かいましたが、皆様風上側をデッドに狙ったようで、ラインの真ん中付近から余裕を持ってスタートすることができました。
上からスタートのオアシスは先にポートにタック、我々もリフトが終わったところでタックしました
最初のミーティングはケビンで、ポートタックの我々は1艇身くらいの余裕でかわしましたが、次の霞とのミーティングでは下でタックする展開となりました。ウエザーマークはオアシス、ブルーシャークJについで3位で回ったように記憶しています。マーキングしスターボのままスピンをあげて第一マークへのアプローチでした。風が振れて一回ジャイブ、また振れ戻ってジャイブというような風向でしたが、1月ほどの風ではなく少しほっとしました。ケビンはいつものようにかなり左のコースをとっています。
11月、1月とひどい目にあった、岬を抜けた瞬間のブローの記憶はトラウマと言ってよいほどで、風が前に回るのを前提に、岬を抜ける前から船をぎりぎり下に向けて、いつでも更に落とせる準備をしていました。しかし今回はやや拍子抜けで、ブローは強くありませんでした。第一マークまでのレグではオアシスとケビンは左めのコース、我々とブルーシャークはいつもの習性?で右めのプロパーコースでした。32フィートと24フィートの並んでのスピンランは、こちらにとっては気持が楽でした。
第一マーク(かえでブイ)はオアシスについでの回航であったように記憶していますが、、ブルーシャークが先でしたか。赤いブイの第二マークに向けてはいつものようにクローズよりやや落としたコースの一本道ですが、時に10m以上のブローが入るレグでした。第二マークへ向かって湾内の近くの海面は、相変わらず風向と強さが20m離れると違うといった難所でしたが、ケビンが岸よりのいつものコースでせまってきました。このあたりのコース選択は、加藤拓也とケビンの意見が一致しているのかしら、ケビンは人の意見を聞くことがあるのかしら、などと思いながらみていましたが、第二マークの手前でケビンに抜かれてしまいました。このあたりはいつも最も吹くエリアで、マークを回航してからは、上りのレグです。網をクリアして少し落とすコースとなり、風も次第に落ちていくレグですが、ここも難所中の難所で、ブルーシャークはカームにつかまり、ケビンもややカームにつかまっている感じで、ここで抜き返すことができました。
つぶりこ付近はかなり風が落ち、また風が振れまわっていましたが、つぶりこを回ってからはスピンを上げるかがきわどいコースです。オアシスは全マークトップで先にいっていますが、我々は二位で最後のレグの前半を走りはじめました。上げたスピンを下すか、きわどい選択です。しかし進むにつれ風は前に回り、早めにスピンを下ろしたのは賢い選択でした。
ケビンもブルーシャークを抜いて後ろから追ってきます。ここでは、この最後のレグで抜かれた過去3回の記憶がよみがえり、マッチレースのように常にケビンと同じコース上で先を行かなければと考えていました。ゴールラインへ向かう上りのコースとなって実際そのように走っていたつもりですが、後ろを走っていたケビンがタックして10秒後にタックを返したのですが、右の岸寄りのケビンのコースの方が角度が良いようです。20−30mくらいしか離れていないのに、これがこの海面の怖いところです。結局次のミーティングでは抜かれていて、ゴールラインへの最後のポートタックのレグでは下側のケビンが5艇身くらい先を走っていました。しかし、風の振れもあってケビンがタックなしでラインに入れるかは微妙な感じでした。
風は我々には味方せず、ゴール寸前では左に少し振れてケビンが先にゴールすることとなりました。差は10秒でしたので、我々が計算上は久しぶりに一位となりましたが、勝った感じがしないレースでした。
もう20回近くこの海面でレースをしていますが、未だにコース選択やタクティクスが定まりません。そこで言い訳ですが、こんなに面白い要素が入っているコースはあまりないのではないかと、この記事を書いていて気がつきました。ひょっとして日本で一番面白いコースなのかなと。VOCにキャッチコピーが一つ加わります。日本一面白いコースでレースに参加しませんか。