5月クラブレース記 片山芳彦(ローニンフールズ)

前日の晴天が続かず曇天の中アサマ、アズ、イエローマジック(メルゲス24)、ヴィーナスJr(J/24)、オアシス、霞、風小町(T301)、ブルーシャークJr、ローニンフールズ(J/24)の9杯の参加となりました。ウェーザーマークは無くシフティーな風でアズ、霞、アサマはスピンスタートの機会をうかがっている模様。スピンスタートも有りなのかなと考えているうちに風が南に振れ全艇がクローズドホールドでスタートを切りました。ローニンフールズはリコールすれすれのドンピシャスタートで同じようにドンピシャだった快速艇イエローマジックに続きます。途中、風下からオアシスに豪快にパスされケビンも言葉少なでしたが楓黄ブイまでは快調なセーリングでイエローマジック、オアシス、風小町に僅差で続いて4位で回航できました。ここでローニンフールズはブイぎりぎりに回航し風小町に得意の「下!下!下!」攻撃を浴びせますが風小町はすっと前に出て軽くいなされてしまいました。ここから田曽の赤ブイまでは風が北西に振れ先ほどの雄たけび攻撃が裏目に出てなかなか赤ブイへ向かえません。ここでもたもたしているうちにうまくコース取りをした霞、アズに一気に抜かれ、スタート時に無風帯につかまり最下位スタートとなったヴィーナスにも追いつかれてしまう始末です。
ローニンフールズではレース中は日本語と英語がちゃんぽんになっています。ケビンが言葉が日本語か英語かをとっさに判断できないときがあり混乱のもとになっています。ヴィーナスと競っている時にケビン船長、突然「贅沢だ」と呟きます。ヴィーナスは自前、こちらはレンタル、やっぱり羨ましいよねと「YES,YES」と相槌を打ちますが5分もしないうちに再び「贅沢だ」と雄たけびを上げます。こちらもコメントのしようがないので日本人らしく「YES,YES」と相槌againです。さすがに3回目の雄たけびのときにはヴィーナスがタックしていたのが見えたので“They tucked”だったんだと理解するといった具合です。2人とも中等度の失語症が始まっており、アレ、ソレで済ますことが多くなってきていて、かえってコミュニケーションが取れています。日加老老介護の始まりです。
苦労して赤ブイに近づくとオアシスが生簀に引っかかってトラブルの模様。これを避けるようにタックしてイエローマジック、風小町、アズ、霞に続いて赤ブイを回航。ここから上位4艇は大混戦で後方からはどの艇がリードしているのか不明でした。頻繁に順位が入れ替わった模様で最後は風小町が僅差でイエローマジックをかわしファーストホームをきめました。ローニンフールズは赤ブイ回航後ヴィーナスと接戦でしたが最後のスピンランでのジャイブが勝負の分かれ目となりました。戦力に勝るヴィーナスはスムーズにジャイブをこなしfinish lineに向かいます。これに対してローニンフールズは少し上り気味で左方に流れ、低さ(高さというのでしょうか?)をロスしながらのジャイブとなりましたが、ここでレース中皆を悩ませた気まぐれな風がローニンフールズに微笑みかけすっとヴィーナスをかわしての5着でのフィニッシュとなりました。ダブルハンドが効いて修正で1位、2連勝となり上出来な1日となりました。