二宮杯マッチレース参戦記  加藤 琢也

6月の2日、3日に行われた日本ヨットマッチレース協会の今シーズン
最初の公式戦、二宮杯に参加しました。

僕たちのチーム名は<奥志摩XO>、XOはextra oldの意味です。
スキッパーが加藤、トリマーが服部さん、ピットが金森先生、バウマンがケビンです。
平均年齢50歳越えのオールドチームなので、助っ人としてホンダヨット部から470のクルーをしている藤野くんをよびました。
 
初日はラウンドロビン(総当たりの予選ラウンド)でした。我々以外の参加チームは5チームです。
前回のアジア大会の金メダリスト、今年の学生マッチレースの優勝者、数年前の全日本マッチレースチャンピオンなど非常にレベルの高いチームばかりです。
なんとかラウンドロビンで1勝をとねがっていましたが結局全敗で終わりました。予選順位は6位です。

その夜のパーティーでは、若いチーム、強いチームと練習方法など、マッチレースについて語り合いながらガブガブ飲みました。とても楽しいパーティーでした。

僕はヨットレースのパーティーがとても好きなのです!
 
二日目は上位グループと、下位グループに別れます。僕たちは予選5位の宮川チームと2戦先勝でマッチをし、勝ち上がることができれば予選4位のチームと4位決定戦を戦うことができます。

そうは言っても相手の宮川選手は470の元インカレ個人戦チャンピオンで昨年の470全日本選手権3位、今はシエスタチームに所属するエリートセイラーです。

今回の二宮杯では一勝もすることなく終わるかも・・・と弱気な考えも湧いてきます。

・・・案の定、一本目のマッチは宮川チームに負けてしまいました。
 
 二本目のマッチも途中まで負けていましたが、風が弱すぎて
ノーレースになりました。

再レースです。弱いながらも比較的安定した風が吹いてます。
僕たちはスターボエントリーからスターティングマニューバをそつなくこなし、リードしてスタートラインにアプローチします。
良い感じです。
スタート数秒前でアウターマークまでまだ余裕があり、完璧なスタートが切れそうです。
誰かの「アップ、アップ」の声でラフしてラインを切ります。その時フォーンが一声、もう一声鳴りました。

リコールありです。本部艇に僕たちの船を示す旗が揚がってます。
アウターマークを回り込んでリコールを解消してポートでスタート
ラインを切りました。宮川艇はルーズにカバーしてきます。
何とか差を広げられずに、最初の上マークを回航しました。

今までで一番接近したマッチです。宮川艇はかなり上り気味のアングルで走っています。僕たちはもう少し落とし目のアングルを選んで走りました。

ラッキーなシフトもあり、下マークではほとんど差がなくなりました。宮川艇はそのままスターボで、僕たちは即タックでポートにセパレートしました。両艇タックしてミートです。
スターボの僕たちがリードしてます。相手の鼻先でタックして左に追いやります。有利な右側をキープできた僕たちは、上マークではかなりの差をつけていました。

そのリードを保ったままフィニッシュ、待ち焦がれた一勝です。
とても気持ちがいい。またこの気持ちよさを味わいたい。
 
 というわけで7月7日、8日に日産マリーナで開催される次の公式戦、南波誠メモリアルマッチにも参加することにしました。
応援よろしくお願いします。
 
 マッチレースに参加したい方、雰囲気を味わうために練習に参加してみたい方、いつでも大歓迎ですので、声をかけてください。ヨットの基本がすべて含まれたレースです。
操船、ルール、戦術、戦略、すべての上達に非常に役立つと思います。
 
結局、今回のマッチレースでは、<奥志摩XO>の最終成績は一勝七敗の最下位でした。けれども、トップチームのセイリングを間近に見ることができ、とても有意義な経験をしたと思います。

次の南波メモリアルマッチまでにしっかり練習して、トップレーサーや若いやつらに、中高年の底力を見せてやりたいと思います。