8月クラブレース記(ローニンフールズ 片山 芳彦)

お盆過ぎの真夏日の中アサマ、アズ、ヴィーナスJr(J/24)、オアシス、霞、建速、ブルーシャークJr(デヘラー32新艇)、ローニンフールズ(J/24)の8杯の参加となりました。ローニンフールズはケビンが娘3人を連れてカナダに里帰り中のため参加が危ぶまれましたが、春日井さんに助っ人をお願いしての参戦となりました。私は、今回、ケビンの代わりにバウをする気満々でした。一度もバウをしたことがなくすべてケビンにまかせっきりだったのに、手順さえ間違えなければなんとかなるといった根拠のない自信がありました。しかしながら春日井艇長の提案でレース前にスピンを揚げる練習をすることとなりました。さすがベテランセーラー、抜かりがありません。基本のベアウェイセットでのスピン揚げを試みましたがポールにシートがなかなかおさまらず挙句の果てにスピンシートをポールに固定してしまう始末です。ここで春日井さんは片山を見限り、自分がバウをしたほうが良いのじゃないかと優しく提案してくれました。還暦過ぎの超ベテランセーラーにバウをお願いするのは心苦しかったのですが勝負のためと非情に徹しバウをお願いすることとしました。春日井さんがスピンポールのセッティングの不具合をチョイチョイと修正していざ出陣です。

スタートラインに来ると風がだいぶ東に振れていてポートタックでスタートするのが楓ブイまで行くのには有利ということが私にも理解できました。問題はスタート時の混乱です。各艇はスタボースタートで早い時期にタックする戦略の様子。ダブルハンドで戦力に劣るローニンフールズはなんとかポートタックでスタートできないかと悩みます。スタート直前に各艇の動きをみていると風下からスタボーで流してきてスタートと同時に艇速をあげてタックする作戦のようで風上のほうには我々とオアシスしかいません。ここで春日井艇長、ポートタックでのスタートを決断。ジャストスタートで風下からスタボーで突っ込んできたアサマの鼻先を余裕で横切ります。ケビンならば歓喜の雄たけびを発するところでしたが今日はだいぶ雰囲気が違います。そこはさらっと流してトップの霞に続いて2位で楓黄ブイへと進みます。順風の中、レース中であることを忘れてしまいそうな心地よい海風を受けてのセーリングです。今日の霞は本来の調子を取り戻したようでどんどん離れて行って追いつけそうにありません。楓黄ブイまでの間はオアシスをタイトカバーして半ばまで2位をキープしましたが最後は風上からズバッと抜かれて楓黄ブイは3位での回航となりました。

楓黄ブイから田曽赤ブイまでは堅実に風を拾ってオアシスを追走します。途中アサマに追いつかれますがここでも春日井艇長、巧みにタイトカバーしてアサマを微風地帯へと追いやってしまいました。今までレースではただひたすら風を拾って走ることと雄たけびしか無かったので新鮮な快感です。結局田曽赤ブイもオアシスに続いて3位での回航となりました。次のレグはスピンが揚げられる状況でしたが、霞がスピンを揚げる気配を見せないのでしばらく観音開きで走っていたところ、後方集団がスピンを揚げて急接近してくるではありませんか。急遽 スピンを揚げるも風が前に回りうまくいきません。このまま、アサマ、アズと団子状態になってツブリコ島を回航。ここからは一進一退の状況が続きましたが最後のスピンランのとき片山が操舵を誤って大きく時間をロスしてブルーシャークJrにかわされて霞、アサマ、ブルーシャークJrに続いて4位でのフィニッシュとなりました。何から何まですべて春日井さんにお世話になりましたが修正で1位、シーズン4勝目となりhappyな1日となりました。